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日本学生支援機構の奨学金は返済免除となる場合がある?条件を徹底解説!

 

日本学生支援機構が提供している奨学金には、奨学生が特定の条件に該当する場合、願出により奨学金の返還を免除できる制度があります。

この記事では、日本学生支援機構が提供する奨学金の種類、返済が免除される条件や返済免除申請の流れについて、実際に奨学金を借りて完済した経験がある筆者が詳しく解説します。

また、返済免除制度だけでなく、返済猶予・減額制度、そして最近導入が増えている企業の奨学金肩代わり制度についても紹介しているので、奨学金の申請を考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

 

日本学生支援機構とは

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引用元:JASSO

 

日本学生支援機構とは、奨学金事業・留学生支援事業・学生生活支援事業を行う独立行政法人です。

英語の呼称である「Japan Student Services Organization」の頭文字を取って、JASSO(ジャッソ)と略されることもあります。

 

日本学生支援機構では、経済的な理由で学業を続けることが困難な学生を支援するために、様々な奨学金プログラムを提供しています。

また、学生のキャリア支援や国際交流の促進も行っており、学生の学びと成長を多方面からサ

ポートしている団体です。

 

日本学生支援機構はこれらの活動を通じて、多くの学生が経済的な障壁に阻まれることなく学び続けることができるよう努めており、日本の教育システムにおいて重要な役割を担っています。

 

日本学生支援機構の奨学金の主な種類

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日本学生支援機構は、学生に対して経済的支援を提供するために複数の奨学金プログラムを設けています。

大きく分けると返済が必要な「貸与奨学金」と、返済不要な「給付奨学金」の2種類です。

そして、貸与奨学金には無利子奨学金(第一種奨学金)と、有利子奨学金(第二種奨学金)の2つの形態があります。

 

それぞれ制度の内容が異なるので、詳しく見ていきましょう。

 

貸与奨学金

貸与奨学金は、学生が経済的な理由により教育機会を十分に享受できない場合に支給される、返済を前提とした支援です。

この奨学金は、無利子または有利子の形式で提供され、学生の負担を軽減しつつ教育を受ける機会を拡大することを目的としています。

 

対象となるのは、国内の大学、短期大学、高等専門学校、専修学校(専門課程)、および大学院の学生です。

奨学金には無利子の第一種奨学金と有利子の第二種奨学金があります。

また、第一種・第二種を併用することも可能です。

これに加えて、入学時に一時金として貸与される入学時特別増額貸与奨学金(利子付き)が存在します。

 

貸与奨学金は、卒業後に返済が必要です。

しかし、返済が困難になった場合の支援も用意されています。

本記事の後半では、奨学金返済の猶予および減額制度についても紹介していきますので、ぜひ最後までご覧ください。

 

無利子奨学金(第一種奨学金)

無利子奨学金(第一種奨学金)では、返済時に利息が発生しません。

家庭の経済状況に基づいて必要と認められた学生に対して支給され、学業を続けるための基本的な支援が受けられます。

無利子であるため、卒業後の返済負担が軽減されることが大きな利点です。

 

有利子奨学金(第二種奨学金)

有利子奨学金は、無利子奨学金と比べて審査が緩和されており、より多くの学生が利用できる制度である一方、返済時に利息が発生します。

無利子奨学金よりも窓口が広く、受給資格を満たす多くの学生が学費や生活費の支援を受けることができます。

ただし、将来的には利息分も含めた返済が必要になるため、借り入れる際には計画的な財務管理が必要です。

 

参照:貸与奨学金(返済必要) | JASSO

 

給付奨学金

高等教育の修学支援新制度の一環として、経済的な理由で大学や専門学校への進学を諦めることがないよう、2020年4月から新制度が開始されました。

給付奨学金は、貸与奨学金と異なり返済の必要がありません。

 

対象となるのは、世帯収入が一定の基準を満たし、かつ、学ぶ意欲が確認できる学生です。

学業成績だけではなく、進学に対する意欲も評価の対象となります。

給付奨学金の対象者には、授業料や入学金の免除、または減額が行われます。

 

参照:給付奨学金(返済不要) | JASSO

 

奨学金の申請資格、支給額、その他の詳細は、日本学生支援機構のウェブサイトまたは文部科学省の特設ホームページで確認可能です。

また、進学資金シミュレーターを利用して、自分が収入の基準に該当するかどうかの確認もできます。

 

返済免除の条件

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日本学生支援機構の奨学金は、特定の条件下で返済が免除される制度が設けられています。

返済が免除される条件は以下の3つのケースです。

  1. 死亡又は精神もしくは身体の障害により返還不可能な場合
  2. 特に優れた業績による返還免除制度を利用する場合
  3. その他

 

死亡又は精神も​​しくは身体の障害により返還不可能な場合

  • 奨学金借入者が死亡した場合
  • 精神または身体の障害により労働能力を喪失、または労働能力に高度の制限を持ち、返還が不可能になった場合

 

上記の理由により、奨学金の借入者が次の理由で返還が困難になった場合、返還未済額の全部または一部を免除することができます。

 

返還免除を申請するには、以下の書類が必要です。

  • 貸与奨学金返還免除願または給付奨学金返還免除願(相続人や連帯保証人の連署が必要です)
  • 奨学金借入者の死亡を証明する公的な書類(戸籍抄本、個人事項証明、または住民票など)

 

返還免除の申請は、日本学生支援機構に提出された願出用紙によって行われます。

提出用紙は、貸与奨学金と給付奨学金で異なります。

また、精神または身体の障害に関しては、主治医の診断書が必要となる場合があるので注意しましょう。

 

特に優れた業績​​による返還免除制度を利用する場合

この制度は、第一種奨学金を受けて大学院で学ぶ学生が、貸与期間中に特に優れた業績を挙げた場合に、奨学金の全額または半額を返還免除する制度です。

大学院(修士課程・専門職学位課程・博士課程)で第一種奨学生として採用された人で、貸与終了する年度中に特に優れた業績を達成した人が対象です。

 

優れた業績の範囲としては以下の3点が挙げられます。

  • 学問分野での顕著な成果や発明・発見
  • 専攻分野に関する文化・芸術・スポーツでの顕著な活躍
  • ボランティア活動を通じた顕著な社会貢献

 

この制度を利用するには、奨学金の貸与が終了した月が属する年度内に申請が必要です。

また、申請者は大学の推薦を経て、日本学生支援機構の業績優秀者奨学金返還免除認定委員会の審議により返還免除が決定されます。

第一種奨学金(海外大学院学位取得型対象)の奨学生も含まれますが、科学技術振興機構(JST)の支援を受けた博士課程の学生は対象外とされています。

 

その他

その他の制度としては、2024年度4月現在、以下の2種類があります。

  • 「第一種奨学金(海外大学院学位取得型対象)奨学生に対する特に優れた業績による返還免除制度」
  • 「(博士課程)返還免除内定制度」
  • 企業の奨学金返還支援(代理返還)制度 ※日本学生支援機構側が奨学金を負担して免除する制度ではなく、一般の民間企業が奨学金の返済義務がある従業員の代わりに奨学金を返還する制度です。

 

第一種奨学金(海外大学院学位取得型対象)奨学生に対する特に優れた業績による返還免除制度

この制度は、海外での高度な学位取得を目指す優秀な学生が、学業に専念し、将来的に国際社会で活躍できるよう支援することを目的としています。

 

対象者は、海外の大学院で学位を取得することを目指す第一種奨学金の受給者です。

奨学金の返還を免除されるためには、奨学金受給中に特に優れた業績を挙げる必要があります。

 

特に優れた業績による返還免除を希望する場合、以下の書類を準備し、日本学生支援機構に申請が必要です。

 

  • 第一種奨学金(海外大学院学位取得型対象)2023年度業績優秀者返還免除申請書
  • 指導教員等の推薦書

 

また、申請書と推薦書を日本学生支援機構に郵送した後、オンラインの申請書類提出フォームを通じて送信する必要があります。

 

(博士課程)返還免除内定制度

この制度は、博士課程の学生が学位取得に向けて安心して研究に専念できるよう、貸与終了時に優れた業績が認められた場合に奨学金の返還を免除する制度です。

博士(後期)課程または博士医・歯・薬・獣医学課程の1年次に入学し、第一種奨学生として採用された人が対象です。

対象者には一貫制博士課程の3年次進級者も含まれますが、修士課程や専門職学位課程の学生は対象外となります。

 

対象者は、博士課程へ入学した年度の夏以降に各大学へ問い合わせおよび申請が必要です。

学内選考委員会が、博士課程の入試結果や修士課程の成績、修士課程の研究科長の推薦などを評価し、貸与期間終了時に返還免除が見込まれる人を推薦します。

 

ただし、学業不振等で卒業が延期になり、奨学金の交付に係る「停止」又は「廃止」の処置を受けた場合、内定が取り消されるので注意しましょう。

修業年限内で課程を修了できなくなった場合も内定が取り消されますが、災害や傷病などやむを得ない事情で修業年限内に課程を修了できなかった場合は、内定取消の対象外となります。

 

これらの制度については、今後も実施が継続されるかどうかは未確定なので、申請を考えている場合は、適宜日本学生支援機構のウェブサイトを確認し、最新の情報を入手してください。

 

企業の奨学金返還支援(代理返還)制度

企業の奨学金返還支援(代理返還)制度は、企業が自社の社員に代わって奨学金の返済を行います。

企業が、社員の残っている奨学金返済額をJASSOに直接支払うことができるという仕組みです。

これにより、社員が奨学金の返済による経済的プレッシャーから解放され、安心して仕事に専念できる環境を作ることができます。

また、企業が支払う奨学金返還金は損金として計上でき、法人税負担を軽減することできるという点は企業にとってもメリットがあると言えるでしょう。

 

この制度により、企業は奨学金の返済負担を軽減し、若手社員の離職率を下げ、採用力の向上や雇用安定に寄与することが期待されるため、導入を始めている企業も増えています。

 

この制度は日本学生支援機構の奨学金を対象としており、他の奨学金には適用されませんが、企業によっては独自の奨学金制度を設けている場合があるので、確認してみるのが良いでしょう。

 

返済免除を受けると将来に何か影響はある?

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返済免除を受けると、自己破産の様に将来に何か影響があるのではないかと心配に思う方もいるのではないでしょうか。

 

日本学生支援機構の奨学金に関しては、返済免除を受けても将来に悪影響が出ることは一切ありません。

返済免除が受けられると、経済的な負担が大幅に軽減され、卒業後の財政状況に余裕が生まれるため、将来のライフプランやキャリアプランをより自由に設計できるようになります。

そのため、返済が困難な状況にある場合には、安心して申請を行うのが良いでしょう。

 

しかし、返済に関して気をつけなくてはならない奨学金の制度もあります。

それは、いわゆる企業による奨学金の「肩代わり」制度です。

 

例えば株式会社 九電工では、2024年4月より、日本学生支援機構から奨学金を借りていた新入社員を対象に、月額1万5,000円を上限に本人に代わって返済する制度を設けました。

この制度は、新卒採用強化および内定辞退者を防ぐことが目的です。

 

このように、近年では人材確保のために、奨学金の肩代わり制度を導入する企業が増えています。

肩代わり制度は、入社後の経済的負担を軽減する大きな助けとなる一方で、在籍の縛りが設けられるなどの制約が伴うことがあります。

そのため、このタイプの支援を受ける際には、将来のキャリアパスや勤務条件を慎重に検討する必要があるでしょう。

 

返済免除申請の流れ

Repayment Waiver Application Process

日本学生支援機構の奨学金における返済免除を申請するには、いくつかのステップを踏む必要があります。

抜け漏れがあると、申請が受理されない恐れもあるので、確実に必要な手順をこなしていきましょう。

 

1. 資格要件の確認

まず初めに、返済免除を申請する前に、自身が返済免除の資格要件を満たしているかを確認しましょう。

資格要件としては、健康状態、学業成績、経済状況など、具体的な条件が設定されています。

 

利用を考えている返済免除制度の要項に目を通し、資格要件を確認してみてください。

年度によって要件が変更になる可能性もあるので、必ず日本学生支援機構のウェブサイトから最新の情報を手に入れるようにしましょう。

 

2. 必要書類の準備

返済免除申請には、個人情報、学業成績、収入証明、医師の診断書(障害が理由の場合)、またはその他の支援資格を証明する公的書類など、複数の書類が必要になることがあります。

これらの書類は申請の根拠となり、審査の材料として使用されます。

 

必要書類は利用する返還免除制度によって異なるので、資格要件確認の際に、必要書類についても情報を集めましょう。

例えば、奨学金借入者の死亡により返還不可能な場合、死亡を証明する公的な書類(戸籍抄本、個人事項証明、または住民票など)が必要になります。

書類の用意には時間を要する場合があるので、余裕を持って、期日に間に合うように準備しましょう。

 

3. 申請書の提出

必要な書類を整えたら、指定された申請書とともに日本学生支援機構に提出します。

申請書は、オンラインまたは郵送で提出することができますが、提出方法は機構の指定するフォーマットに従う必要があります。

 

4. 審査プロセス

書類が提出された後、提出された書類の内容を基に、申請者が返済免除の条件を満たしているかが評価されます。

審査期間はケースによって異なるため、結果が出るまでには数週間から数ヶ月かかる場合があります。

 

5. 結果の通知

審査が完了すると、申請者に対して返済免除の可否が通知されます。

承認された場合、具体的な返済免除の内容と今後の手続きについての詳細が説明されます。

 

万が一、申請が不承認となった場合には、その理由と再申請や異議申し立ての手順が示されることがあるので、よく確認しましょう。

 

返済免除以外に知っておきたい日本学生支援機構の奨学金制度

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日本学生支援機構は、多彩な奨学金制度を通じて学生の教育機会を支援していますが、返済免除だけがその支援内容ではありません。

返済免除以外にも、以下の2つの制度が設けられています。

  1. 返還期限猶予
  2. 減額返還制度

 

奨学金の返済の負担に苦しむ学生や卒業後の若者たちの中には、これらの制度の存在を知らないために不必要な負担を感じてしまっている方もいるでしょう。

このような状況を踏まえ、奨学金の返済が困難になった際に利用できる返済免除以外の2つの制度について、解説していきます。

 

1. 返還期限猶予

この制度は、返還者が災害、傷病、経済困難、失業など、返還が困難になる事情が生じた場合に、奨学金の返還期限を一時的に延長することができるというものです。

ただし、返還期限猶予は、返還すべき元金や利子の免除ではなく、返還期限を一定期間先延ばしする制度という点に注意しましょう。

猶予を希望する場合は、返還が困難になった状態にあることを証明する必要があり、審査により承認された期間については返還が不要です。

適用期間が終了すると返還が再開されます。

 

申請は、インターネット(スカラネット・パーソナル)または郵送で行うことができます。

インターネットからの申請が可能な条件や詳細は日本学生支援機構のウェブサイトでご確認ください。

 

猶予の適用年数は最大10年までですが、災害や傷病、生活保護受給中の場合はこの限りではありません。

ただし、災害原因が同一の場合は原則5年が限度です。

 

参照:返還を待ってもらう(返還期限猶予) | JASSO

 

2. 減額返還制度

この制度は、災害、傷病、その他の経済的理由により奨学金の返還が困難な方を支援することを目的としています。

減額返還制度を利用することで、当初の約束した返還額を一定期間、減額して返還することが可能です。

 

減額返還の適用期間は12か月単位で、最長15年(180か月)まで延長できます。

年収や所得に応じた条件が設定されており、2020年4月からは減額返還方法も多様化され、更に幅広い収入層が利用可能になりました。

 

減額返還の願出は、インターネット(スカラネット・パーソナル)または郵送で行うことができます。

インターネットからの申請が可能な条件や詳細は日本学生支援機構のウェブサイトでご確認ください。

願出用紙と必要な証明書類を添付し、日本学生支援機構に郵送することも可能です。

 

参照:月々の返還額を少なくする(減額返還制度) | JASSO

 

まとめ:経済的な負担を軽減しながら教育機会を最大限に活用しよう。

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この記事では、日本学生支援機構の奨学金返済免除について紹介してきました。

日本学生支援機構の奨学金プログラムは、多くの学生が高等教育を受けるための大きな支えとなっています。

返済が免除される条件を理解することで、経済的な負担を軽減しながら教育の機会を最大限に活用することができるでしょう。

また、本記事で紹介したように、返済免除以外にも奨学金返済の負担を減らす制度が設けられているので、必要に応じてそれらの制度も適切に活用してみてください。

 

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