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インバウンド対応で飲食店の集客力を大幅アップ!効果的な対策を徹底解説

 

インバウンド客、すなわち訪日外国人客がコロナ前の水準へと回復して来ています。

そんな今こそ、適切なインバウンド対応を行うことで、集客力をアップさせることができます。

 

この記事では、インバウンド対策の重要性や具体的な対応策、集客方法から、インバウンド対応のデメリット面と気を付けるべきポイントまで徹底解説していきます。また、 インバウンド対応の際に活用できる2つの補助金も紹介しているので、ぜひ最後までご覧いただければと思います。

 

インバウンド対策について正しく理解し、ぜひ店舗運営に役立ててください!

 

インバウンド対応はなぜ必要? 

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昨今、インバウンド対応の必要性が高まっていると言われていますが、それは一体なぜでしょうか。

 

まず、コロナ禍が収束に向かい、それに伴って訪日外国人観光客の数が再び増えてきている現状を考慮すると、インバウンド対応の重要性は明らかです。

緊急事態宣言や渡航制限の中で、多くの業界、特に観光業は大きな打撃を受けました。

しかし、感染リスクが低下し、各国が再び国境を開放する中で、日本への旅行需要も復活の兆しを見せています。

 

JNTOの推計によると2023年6月の訪日外客数は2,073,300人(前年同月比+1,621.6%)で、2020年2月以降、初めて200万人を超えたことがデータとして公開されています。

 

日本の観光資源や文化を体験したいという外国人の願望は、コロナ禍前のレベルに回復するだけでなく、それを超える可能性も秘めています。

 

「新・観光立国論」や「世界一訪れたい日本のつくりかた」の著者でもある”デービッド アトキンソン氏”は、「やるべきことをやれば、日本は世界一訪れたい国となり、安倍政権がかつて掲げた2030年までに年間6000万人の目標達成も簡単にできる」と主張されています。

 

このような背景があるため、インバウンドニーズに対応したサービスや商品を提供することで、訪日外国人からの収益を拡大することができるでしょう。

 

次に、和食や日本食が世界的に評価されている点を考察すると、日本の飲食業界においては特にインバウンド対応の必要性が際立っています。

UNESCOの無形文化遺産にも登録された和食は、健康的で美味しいというイメージを持たれており、多くの外国人が日本を訪れる際の楽しみの一つとしています。

GMOリサーチが実施した、海外在住の20~69歳の男女3000人に対して海外旅行に関する意識調査によると、日本を選んだ理由は、1位「独自の文化体験」(22.6%)に次いで、2位に「伝統料理」(18.5%)、が挙げられています。

 

そのため、飲食店では、多言語のメニューやスタッフ、外国人に配慮したサービスを提供することで、インバウンド客からの支持を得られる可能性が高まります。

特に、訪日外国人観光客は、宿泊や飲食、ショッピングなどで多額の消費を行うため、飲食店の収益を最大化するためにも、きめ細かいインバウンド対応は必須です。

 

以上の理由から、飲食店におけるインバウンド対応は、国際的な市場を意識した戦略として必要不可欠であると言えます。

 

7つのインバウンド対応策

7つのインバウンド対応策の図解

インバウンド対応が必要ということはご理解いただけたと思いますが、では、実際どのように対策を取れば良いのでしょうか?

ここでは、以下の基本のインバウンド対応策を7つ紹介していきます。

 

  1. メニューの多言語化
  2. 多言語スタッフ
  3. 外国通貨の受付
  4. Wi-Fi環境
  5. キャッシュレス決済(QRコード支払いなど)の導入
  6. ベジタリアンやハラール対応
  7. 予約サイトの多言語対応

 

店舗の状況などによっても、優先的に行うべき対応策は異なってくるので、自店の利益を最大化するために必要な要素を考慮しながら、効果が見込めそうな対応から順番に組み合わせて行いましょう。

 

①メニューの多言語対応

メニューの多言語化は、最も基本的なインバウンド対応策でありながら、外国人客の利便性を高めるために欠かせない重要なステップです。

メニューに英語、中国語、韓国語など主要な言語を取り入れることで、外国人客が料理の内容や価格を理解しやすくなります。

また、アレルギー情報や辛さの度合い、ベジタリアン対応の有無など、詳細な情報も各国の言葉で明記することで、顧客にさらなる安心感を提供することができます。

 

②予約サイトの多言語対応

観光客は事前に下調べをしてから飲食店の予約をすることが多いため、予約サイトの多言語化は、インバウンド対策として非常に効果的です。

自社で予約サイトの多言語対応が難しい場合は、多言語対応している外部の予約ツールなどを利用したり、特定の地域において集客力がある国際的な予約サービスを導入する方法もあります。

また、サイト内で日本の文化やサービスを詳しく紹介することで、事前の期待値を高めることができ、訪問時の満足度も向上させることができるでしょう。

③多言語スタッフ

多言語スタッフを配置することは、対面でのサービス提供時にとても大切です。

特に、注文時やアレルギー対応、ローカル情報の提供など、詳細なコミュニケーションが求められる場面での多言語スタッフの存在は、顧客の信頼を得るための重要な要素となります。

しかしながら、人件費やスタッフを育成するためのコストがかかってしまう施策でもあるので、取り入れるべきか否かは慎重に検討したいです。

 

④外国通貨の受付

外国人観光客が日本を訪れる際、外貨をそのまま使用できる店舗は、利用客にとって利便性が高いです。

特に人気観光スポット近くでは、同業者との差別化が図れるため、観光客を惹きつける要因となる可能性があります。

しかし、通貨の為替レートは頻繁に変動するため、不利なレートでの変動リスクが存在します。

また、定期的な外貨の両替手続きや、レートを更新するシステムの導入・維持にコストがかかるリスクがあることは頭に入れておきましょう。

 

⑤Wi-Fi環境

無料Wi-Fiは、外国人観光客が現地情報を検索したり、SNSでの情報共有をしたりする際に必須のサービスです。

Wi-Fi環境を整えた上で、店舗情報やキャンペーン情報をQRコードで提供することで、店舗のプロモーション活動にもつなげることができます。

また、周囲にWi-Fi環境を整えた競合店舗がない場合、店舗外観にWi-Fiスポットとしてのアピールをすることで大きく差別化できる可能性もあります。

 

⑥キャッシュレス決済(QRコード支払いなど)の導入

キャッシュレス決済は、両替などの手間が省けるため、外国人観光客にとって手軽で安心な支払い方法として広く受け入れられています。

特に中国や韓国などアジア諸国では、QRコード支払いの利用者が多いため、各種キャッシュレスサービスへ対応することで訪日客の利便性が向上し、購買意欲を増加させることができるでしょう。

 

⑦ベジタリアンやハラール対応

食文化や宗教上の理由で特定の食材を摂取できない観光客に対して、ベジタリアンやビーガン、ハラールメニューを提供することで、多様なニーズに対応することができます。

これにより、より多くの観光客を対象としたサービス提供が可能となります。

特に、日本国内では、ベジタリアンやビーガンの文化があまり浸透しておらず、対応している店舗もまだまだ少ないです。

例えば、弊社が運営するグルメメディア「FLIES EAT」のYouTubeチャンネルでも撮影させていただいた、「Vegan Ramen UZU Tokyo」様では、一杯1,800円のヴィーガンラーメンを食べるために、連日多くの外国人観光客の方々が行列待ちしています。

予算や主要客の国籍などによっても、どの対応策から優先的に取り入れていくべきかは異なります。

インパクトの大きさを考え、効果が見込めそうなものから取り入れてみましょう。

 

インバウンド集客方法9選

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インバウンド集客では、国内の顧客を対象とした集客施策とは異なるアプローチを検討した方が良いことも。

また、同じ施策であっても、国内向け、国外向けによって取るべき方法が異なる場合もあります。

ここでは、インバウンド集客として効果が大きい以下の9種類の方法を紹介していきます。

関連記事:飲食店を繁盛させる集客方法とアイデア20選!成果が出る施策を大公開

 

  1. SNS運用
  2. オンライン広告
  3. 店頭販売
  4. 旅行予約サイトとの連携
  5. 観光案内所との連携
  6. コラボレーション企画
  7. インフルエンサーマーケティング
  8. ローカルツアーとの提携
  9. 観光やグルメ情報の提供

 

①SNS運用

(約4万人のフォロワーがいるFLIES EATの公式インスタグラムより引用。上記の投稿は実際に外国人ユーザーからのコメントも確認できる。)

SNSは現代のマーケティングにおいて重要な役割を果たしています。

特にInstagramは、写真や動画を通じて飲食店の魅力を発信するのに適したSNSです。

多様なプラットフォームが存在する中で、InstagramやFacebook、TikTok、X(旧Twitter)、YouTubeなど、国や地域によって利用者の多いプラットフォームは異なります。

特に外国の観光客をターゲットとする際には、それぞれの国の主要なSNSを活用することで、ブランドの認知度を効果的に向上させることが期待できます。

 

例えば、中国本土では、先に名前を挙げたようなSNSは規制により利用することができません。

そのため、WeiboやWeChatなどの中国独自のSNSが発達しています。

 

しかし、SNSを通じて集客する際には、継続的なコンテンツ制作が必要であることや、SNSのアルゴリズム変更による影響を受けやすいというデメリットも考慮する必要があります。

 

「継続的にSNS運用するには自社のリソースが足りない」

「なるべく運用コストを削減して早く集客成果が欲しい」

 

もしこういった悩みを抱えている飲食店様がいれば、弊社が運営するグルメの総合WEBメディア「FLIES EAT」に一度ご相談いただければと思います。

グルメに興味のある総SNSフォロワー5万人を抱えるSNSアカウントや月間最大70万ユーザーの運営サイト、外国人観光客を起用した動画コンテンツを発信するYouTubeチャンネルなどで、飲食店舗が抱える集客課題を解決することが可能です。

 

②オンライン広告

オンライン広告は、インバウンド集客を効果的にサポートする手段の一つとして広く利用されています。

広告を通して多くの人々に飲食店のメニューなどを露出させることで、認知度を高めることができる点が最大のメリットです。

年齢、性別、趣味、居住地域などのデモグラフィック情報を基にセグメント化し、広告を表示させたいターゲット層を特定したら、Google Ads, Facebook Ads, Twitter Adsなど、目的やターゲットに合わせて最適な広告プラットフォームを選びましょう。

オンライン広告は、設定を変更すればすぐに新しい広告を配信することができるため、迅速なマーケティング活動が可能です。

 

ただし、インバウンド客は国内の顧客と異なるニーズを持ち、ユニークな購買行動を取るという点には注意が必要です。

クリック数、表示回数、コンバージョン率など、効果測定に基づいて広告戦略を最適化していくことが重要になってきます。

 

③店頭販売

インバウンド集客は、主にオンラインで話題になることが多いですが、オフラインで行うことができる店頭販売も、実は大きな効果が見込めます。

顧客が自ら店舗を訪れることを促す施策を強化することで、来店客数の増加が期待できます。

 

月間最大70万ユーザーいるFLIES EATの運営サイトでは、主に全国の有名な食べ歩きスポットなどを累計3000店舗以上掲載させていただいてますが、「浅草」や「築地」、「嵐山」といった食べ歩きで有名なエリアは、外国人観光客からも非常に人気を博しています。このようなエリアに、実店舗の宣伝や外国人のニーズ調査もかねて、期間限定でポップアップ出店するのも有効な手段です。

 

例えば、目を引く店舗デザインや商品ディスプレイを用意することで、通りすがりの人々の興味を引きつけられるでしょう。

 

同時に、インスタ映えスポットなどの仕掛けを用意しておくことで、SNSでの情報拡散もさらに期待できます。

また、外国人観光客は、旅行中の特別な体験としてのショッピングを楽しむ傾向があり、試食や試着、ワークショップなど、店舗での特別な体験を提供することで、購買意欲を高めることができます。

こういった体験イベントは、言葉が通じなくても商品の魅力を伝えることができ、インパクトもあるので、実施しやすく見込める効果も大きいです。

 

④旅行予約サイトとの連携

旅行予約サイトは、多くの外国人観光客が訪問先を決定する際の主要な情報源となっています。

そのため、高いアクセス数を持っており、これらのサイトとの連携は、インバウンド客の集客に非常に効果的な手段となります。

 

人気の旅行予約サイトやアプリとの公式パートナーシップを結び、店舗の情報をサイト上で特集してもらいましょう。

予約サイトからの予約者に対して、特別なプロモーションや割引を提供することで、予約のインセンティブを高めることができます。

 

⑤観光案内所との連携

観光案内所は、インバウンド客がオフラインで観光情報を求める際の第一の窓口となっています。

例えば、観光案内所内に店舗のパンフレットやチラシを配置し、観光客に直接情報を手に取ってもらう機会を増やすことで、観光客を直接店舗や施設に誘導することができます。

また、観光案内所との公式な連携を持つことで、店舗の信頼性が観光客に伝わりやすくなります。

 

多くの観光客が訪れることで店舗が有名になることができれば、インバウンド客のCGM(Consumer Generated Media)により、ますます集客率が高まることも期待できるでしょう。

 

⑥コラボレーション企画

飲食店が他の観光施設や店舗とのコラボレーションを行うことで、異なる業種やジャンルの組み合わせにより、新しい魅力や体験価値を生み出すことができます。

期間限定のイベントやキャンペーンを共同で開催し、双方の顧客を相互に誘導するなどの方法が考えられます。

例えば、コラボ先の施設や店舗を利用した顧客に対して、飲食店での特典や割引を提供したり、観光地の特色やコラボ先の商品を活かした限定メニューを開発するなどのコラボレーションの仕方ができるでしょう。

 

施設や店舗のファンや顧客を相互に誘導することで、互いに新しい顧客層を獲得することができるため、双方にメリットがあるマーケティング手法です。

 

⑦インフルエンサーマーケティング​​

インフルエンサーマーケティングは、特定の分野やコミュニティで影響力を持つ人物(インフルエンサー)を活用して、商品やサービスを宣伝・紹介するマーケティング手法です。

インバウンド顧客をターゲットにする場合、基本的にはターゲットとなる顧客の国で認知度の高いインフルエンサーを起用するのが良いでしょう。

例えば、FLIES EATのYouTubeチャンネルでは過去に、このような日本在住の外国人インフルエンサーの方々と数々のコラボレーション動画を実現しています。

  • 日本の有名バラエティ番組にもレギュラー出演する外国人女優(総SNSフォロワー約30万人)
  • 世界的なハイブランドのモデルを務める外国人モデルカップル(総SNSフォロワー約6万人)

実際に、外国人観光客や外国人インフルエンサーを活用したYouTubeコラボ動画では、このような成果を挙げています。

 

  • 東京の寿司屋さんとのコラボ動画公開から3ヶ月で14万再生(広告費換算価値=70万〜140万円)
  • 東京のカニ屋さんとのコラボ動画公開から2ヶ月12万再生(広告費換算価値=60万〜120万円)

 

インフルエンサーのフォロワーは、そのインフルエンサーの専門分野や興味に関連するターゲット層であるため、効果的にブランドや商品の認知度を高めることができます。

異なるジャンルや分野のインフルエンサーとのコラボレーションにより、新しい市場や顧客層へのアクセスを狙うのも戦略の一つです。

また、インフルエンサーからの推薦により、ターゲットとなる顧客の購買意欲が高まる可能性があります。

 

⑧ローカルツアーとの提携

ローカルツアーは、その地域の文化や歴史、自然などの魅力を紹介するものです。

提携することにより、店舗側は集客数を増やすことができ、観光客は地域の食文化を直接体験することができ、より深い理解を得ることができます。

ツアーが定期的に開催される場合、その都度、観光客を確実に店舗に誘導することができるため、安定性の観点でもぜひ実施したい施策です。

他の飲食店と差別化を図るために、ローカルツアーとの独自のコラボレーションメニューやイベントを提供するなどの多様な展開が考えられるでしょう。

 

⑨観光やグルメ情報の提供

WEBサイトやSNSを通して、観光やグルメ情報を提供することで、観光客のニーズに応えることができます。

また、最新の情報やイベントをリアルタイムで更新することで、観光客の滞在時間や消費を増加させることが期待できます。

自店の情報はもちろんのこと、インバウンド客にとって有益となる情報を発信しましょう。

 

飲食店がインバウンド対応するデメリット

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飲食店がインバウンド対応をすることには、集客率および収益の増加などの、大きなメリットが多数存在しますが、一方でデメリットも少なくありません。

ここでは、飲食店がインバウンド対応するデメリットと、それに対する対応策を紹介していきます。

 

適切な対策を講じることで、デメリットを被る可能性を下げることができるので、事前に考えられるリスクを洗い出しておきましょう。

 

  1. 初期投資の必要性
  2. 人件費の増加
  3. 文化や慣習の違いからくるミスマッチ
  4. 季節性や経済状況による変動
  5. 混雑の問題

 

①初期投資の必要性

インバウンド客をターゲットにするためのメニューの多言語化、店内の案内表示の追加、スタッフの研修など、初期にかかるコストが増加してしまうことは、インバウンド対応を行う際に頭を悩ませる最大のポイントではないでしょうか。

あらかじめ予算をしっかりと計画し、一気に全て行うのではなく、段階的に対応を進めることで、コストコントロールすることが肝心です。

また、詳細は後述しますが、地域や業界団体の補助金や助成金を活用するのも手です。

適切にインバウンド対応をすることで、集客率がアップし、売上の増加も見込めますが、短期的に成果が上がるものではないので、長期的な視点で費用対効果を検証するようにしましょう。

 

②人件費の増加

インバウンド対応の中でも特に費用がかさむのが人件費。

多言語対応ができるスタッフの採用や研修により、人件費が大幅に増加することが見込まれます。

予算が潤沢でない場合は、短期雇用の外国人スタッフやインターンを活用するのも良いでしょう。

また、多言語対応のアプリやツールを導入して効率化を図ることも必要に応じて検討しましょう。

 

③文化や慣習の違いからくるミスマッチ

顧客の期待値や食文化の違いから、サービスや料理に対する評価が分かれることがあります。

時には逆も然りですが、国内の顧客には評判が良かったものが、インバウンド客には受けないということも。

あらかじめターゲットとなるインバウンド客の好みや流行などを把握し、サービスや料理をその国の顧客向けにカスタマイズするなどの工夫が必要です。

 

④季節性や経済状況による変動

インバウンド対応の難しい点の一つに、観光シーズンや経済状況によって、外国人観光客の来店数が変動するということが挙げられます。

実際、新型コロナウィルスの影響で、多くの飲食店が大きな打撃を受けました。

オフシーズンには国内客をターゲットにしたプロモーションを強化したり、多様な国や地域からの観光客をターゲットにすることでリスクを分散するなどの対策を考えておきましょう。

インバウンド客からの収益だけに依存しないということも重要となります。

インバウンド対策に力を入れるあまり、国内顧客に対する対応がおざなりにならないように注意しましょう。

 

⑤混雑の問題

インバウンド客が増えることで、逆に国内客が敬遠する可能性があります。

予約制度を導入することで混雑を緩和するなどの対策を取りましょう。

また、店内のレイアウトを見直し、スペースを効率的に利用したり、国内客向けの特別なプロモーションやイベントを開催して、リピート来店を促すといった工夫も考えられます。

インバウンド顧客に対して国内の顧客は、サービスや料理を気に入ってもらえれば、リピート来店に繋がる可能性があるので、インバウンド対応と並行して、店でより良い体験ができるように、考慮する必要があります。

例えば、FLIES EATの運営サイトでは、主に日本国内のユーザーが月間最大70万いるため、まとめ記事内などに広告掲載を行うことによって、特定の地域で飲食店を探している新規顧客の獲得に貢献し、口コミ増加やリピートの獲得にも繋げることが可能です。

 

このように、飲食店がインバウンド対応を行う際には、上記のデメリットが考えられますが、適切な対策を取ることでこれらの問題は軽減することができます。

あらかじめ起こりうるリスクを予測して、対策を取っておきましょう。

 

成功するインバウンド対応の7つのポイント

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インバウンド対応を成功させるには、国内顧客の獲得とは異なる対策が必要となります。

ここでは、インバウンド対応を行う際に、心得ておきたい7つのポイントを紹介していきます。

 

  1. 顧客理解
  2. 文化へのリスペクト
  3. スタッフの研修
  4. 情報発信
  5. 連携と協力
  6. フィードバックの収集と活用
  7. 柔軟な対応

 

①顧客理解

これは、インバウンド対策に関わらずですが、マーケティングの初めの一歩は、顧客理解から始まります。

インバウンドの顧客理解としては、どの国や地域からの観光客が多いのか、彼らの好みやニーズは何かを深く理解することが重要です。

これにより、サービスや商品の提供をより的確に行うことができます。

国内の顧客とは大きくニーズが異なることがほとんどなので、先入観を持たず、フラットにニーズを調査していくことが成功の秘訣となります。

 

②文化へのリスペクト

訪問してくる外国人観光客の文化や慣習を尊重し、理解することで、より良いサービスを提供することができます。

インバウンド客のニーズだけでなく、彼らの国の文化や、バックグラウンドも理解するようにしましょう。

 

例えば、多くの国や地域で、宗教や文化の理由から豚肉を食べることが避けられています。特にイスラム教徒やユダヤ教徒の中には、豚肉を食べることが禁じられている人々が多く存在します。

 

対応策としては、メニューやウェブサイトで、どの料理に豚肉が含まれているかを明確に表示することで、観光客が自分の宗教や文化に合わせた選択をしやすくしたり、豚肉を使用しない料理や、他の肉で代替した料理をメニューに取り入れるなどが考えられます。

 

また、スタッフに、豚肉を食べられない理由や背景についての基本的な知識を研修し、観光客の質問や要望に適切に対応できるようにすることも有効です。

このように、観光客に対する理解を示し、適切なサービス提供を行うことで、文化的な違いを尊重する姿勢が顧客に認められ、信頼を得ることができるでしょう。

 

③スタッフの研修

インバウンド対応で大きな障壁となるのが、言語の違いです。

メニューについては、すぐに外国語展開ができますが、接客については外国語が堪能なスタッフを揃える必要があるので、ややハードルが高いです。

既存のスタッフでインバウンド顧客に対応する場合は、必ず適切な研修を設けるようにしましょう。

多言語対応や異文化理解の研修を受けることで、外国人観光客へのサービスの質を向上させることができます。

言語については習得に時間がかかるので、一朝一夕というわけにはいきませんが、少なくともすべてのスタッフが異文化について十分に理解している状況は作っておけると理想的です。

また、研修のリソースが不足している場合、必要に応じて新規でスタッフを雇い、インバウンド顧客対応と国内客対応でスタッフを分けてしまうというのも一つの手段です。

 

④情報発信

SNSやウェブサイトを活用して、外国人観光客向けの情報を発信することで、事前に店舗や施設を知ってもらい、集客を促進することができます。

特に、Facebook、Instagram、TikTok、X(旧Twitter)、YouTubeなどのSNSは日本国内のみならず、海外の利用者も膨大なため、適切な情報発信を行うことで、集客率の向上に大きく繋がるでしょう。

 

魅力的な写真や動画で、店舗や料理について紹介したり、インフルエンサーとのコラボコンテンツを発信することも効果的です。

最近では、FLIES EATのYouTubeチャンネルのように、外国人客が日本食が食べれるお店に訪れた際のリアクションを動画にして、実際の店舗の様子をインバウンド客にも伝わるような訴求をしている発信例も増えています。

 

SNSは拡散力が強いメディアなので、店舗からの発信が多くの人に届くことはもちろん、実際に店舗を訪れた顧客が発信するCGM(Consumer Generated Media)からの顧客流入も期待できます。

 

⑤連携と協力

インバウンド客は、特定の店舗だけが目当てでその地を訪れるというよりは、周辺の観光スポットなども含め、エリア自体に対してニーズを持っていることがほとんどです。

そのため、地域の他の事業者や観光組織と連携し、共同でプロモーションやイベントを行うことで、相乗効果を生み出すことができます。

 

例えば、観光スポットの入場券の提示により、周辺の店舗で割引が適用されるなどのキャンペーンを行うなどの施策が考えられます。

これにより、店舗のことを知らなかったインバウンド客に対しても、リーチできるため、集客率を高めることができます。

他にも、観光スポットに、周辺のおすすめ店舗マップのようなフライヤーや店舗のチラシを設置してもらうことも効果的です。

ちなみに、FLIES EAT運営サイトの各記事には、「食べ歩きマップ」として、その記事の特定地域で取り扱ったすべての飲食店をひとつのマップにまとめて紹介しています。

江ノ島食べ歩きグルメマップの例)

8/31時点の累計表示回数:約45,000

関連記事:【2023最新】江ノ島食べ歩きグルメ24選!おすすめスイーツや話題の食べ物を紹介

 

⑥フィードバックの収集と活用

外国人観光客からのフィードバックを収集し、それをもとにサービスの改善や新しい取り組みを行うことで、サービスの質を継続的に向上させることができます。

例えば、スマートフォンから回答ができるアンケート調査を実施したり、店舗に外国語のアンケート用紙を設置しておくのも良いでしょう。

インバウンド客は、国内顧客と違った視点や意見を持っていることが考えられるので、アンケートから新たなインサイトを得ることができるかもしれません。

 

⑦柔軟な対応

予期せぬ事態や要望にも柔軟に対応することで、外国人観光客からの信頼を得ることができます。

例えば、インバウンド客は、大勢で来店したり、子連れで来店することが多いため、そういった事態をあらかじめ予測し、状況に応じた柔軟な対応を取ることが求められます。

 

また、柔軟な対応は、口コミや評価の向上にも繋がります。

場合によっては、インバウンド客への素晴らしい対応を国内顧客が拡散してくれることもあるでしょう。

インバウンド客に限ったことではありませんが、飲食店を経営していく上で、常に不測の事態にも対処できるよう、対応のバリエーションを広く持っておきましょう。

 

インバウンド対応に活用できる補助金

インバウンド対応に活用できる補助金のイメージ画像

インバウンド対応のデメリットとして、初期費用がかかってしまうことを先に説明しましたが、飲食店や宿泊施設を対象として、インバウンド対応にかかる費用について、補助金が申請できる制度があります。

 

条件を満たしている事業者および対象事業であれば申請可能なので、申請条件を確認し、必要に応じて活用を検討してみるのがおすすめです。

 

【東京都】インバウンド対応力強化支援補助金

[制度内容]

東京都及び(公財)東京観光財団が、東京都内の宿泊施設、飲食店、免税店、体験型コンテンツ提供施設等に対して、訪都外国人旅行者のニーズに対応した利便性や快適性を向上させるための受入対応強化の取組を支援する制度です。

 

[補助対象事業者]

  • 都内で旅館業法の許可を受けて「旅館・ホテル営業」「簡易宿所営業」を行う施設
  • 都内の飲食店、免税店(中小企業者のみ)
  • 都内の体験型コンテンツ提供施設等(中小企業者のみ)
  • 都内で観光周遊及び空港アクセス等の事業を行う観光バス事業者
  • 外国人旅行者の受入対応に取り組む中小企業団体等・観光関連事業者グループ

 

[補助対象事業]

新たに実施するインバウンド対応力強化のための事業として、以下のような事業が対象となります。

 

    • 多言語対応(案内表示、利用案内、ホームページ、パンフレット等の多言語化、多言語対応タブレットの導入等)
    • 公衆無線LANの設置
    • クレジットカードや電子マネー等の決済機器の導入
    • 館内及び客室内トイレの洋式化
    • 客室の和洋式化(宿泊施設のみ)
    • 国際放送設備の整備(宿泊施設のみ)
    • 外国人旅行者の受入対応やアクセシブル・ツーリズムに関する人材育成
    • 災害時の外国人旅行者の受入対応
    • 防犯カメラの設置(宿泊施設のみ)
  • 外国人用グルメサイトへの掲載費用(飲食店のみ)など

 

[補助額]

補助対象経費の2分の1以内

※「災害時における外国人旅行者の受入対応」事業のみ、令和5年5月7日まで3分の2以内

 

  • 宿泊施設、飲食店、免税店、体験型コンテンツ提供施設、観光バス事業者向け:1施設/店舗/営業所あたり上限300万円
  • 中小企業団体等、観光関連事業者グループ向け:1団体/グループあたり上限1,000万円

 

[募集期間]

令和5年4月1日から令和6年3月31日まで。

ただし、補助金申請額が予算額に達した時点で受付を終了します。

 

[申請方法]

  • 郵送による申請
  • 電子申請システム(JGrants)による申請

 

詳細や申請に関する手続き等は、公式サイトや関連資料をご参照ください。

 

参照:インバウンド対応力強化支援補助金

 

インバウンド対策に関してよくある質問

飲食店の集客においてよくある質問のイメージ画像

Q. インバウンド需要は今後も高まっていくのでしょうか?

A. インバウンド需要の動向は、経済状況、政治的な背景、観光政策、そして健康や安全に関わる環境要因によって大きく影響を受けます。

近年、日本だけでなく、多くの国々が観光業を重視し、インバウンド需要を増加させるための施策を打ち出しています。

また、グローバル化の進展に伴い、人々の移動が容易になり、異文化体験への関心も高まっています。

これらの要因を考慮すると、インバウンド需要は今後も増加する可能性が高いでしょう。弊社としては、デービッド・アトキンソン氏の著書「新・観光立国論」「世界一訪れたい日本のつくりかた」で書かれているように、インバウンドの全体市場は2030年以降も成長し続けると考えています。

 

ただし、突発的な事象や疫病の拡大など、それこそコロナのような一時的な外部環境の予測不能な要因も少なからず存在するため、常に市場の動向を注視することが必要です。

 

Q. インバウンド客として多い国・地域はありますか?

A. インバウンド客の出身国や地域は、時期によっても異なりますが、年間を通しての全体人口比で言うとやはり中国、韓国、台湾などのアジア諸国からの観光客が多い傾向にあります。

これには、経済的な成長や航空路線の増加、ビザの緩和などが影響しています。

 

Q. 多言語対応はどの言語から始めるのがおすすめですか?

A. 英語は国際的なコミュニケーションの基本となる言語であるため、最優先で対応するのが良いでしょう。

多言語対応を考える際は、まずは自店のインバウンド客の出身国や地域を特定し、その国の言語を優先的に取り入れることが効果的です。

例えば、中国からの観光客が多い場合、中国語の対応を最初に考えると良いでしょう。

 

Q. 多言語スタッフの研修はどのように行えばいいですか?

A. 多言語スタッフの研修では、言語スキルの向上だけでなく、文化や習慣の理解も深めることが重要です。

研修プログラムでは、ロールプレイやシミュレーションを取り入れ、実際の業務場面でのコミュニケーションを想定したトレーニングを行うと効果的です。

また、外国の文化や習慣に関するセミナーやワークショップを開催することで、スタッフの国際的な視野を広げることができます。

 

Q. どのような方法でインバウンド顧客の満足度を測定できますか?

A. インバウンド顧客の満足度を測定する方法としては、国内顧客の満足度測定時と同様、アンケート調査が一般的です。

店舗で紙のアンケートに回答してもらったり、オンラインでのフィードバック収集を通じて、顧客の意見や要望を直接聞くことができます。

さらに、SNSやレビューサイトの分析を行うことで、顧客の声を間接的に収集することも可能です。

インバウンド顧客が、普段どのようなSNSやサイトに口コミを掲載するか、事前に調査しておくのが良いでしょう。

 

Q. インバウンド対応のための初期投資はどれくらいかかりますか?

A. インバウンド対応の初期投資は、対応の範囲や規模によって大きく異なります。

必要経費としては、多言語対応のための翻訳コスト、多言語スタッフの採用や研修費用、情報提供のための看板やパンフレットの制作費、販促費などが考えられます。

また、デジタルツールの導入やWEBサイトの多言語化にも費用がかかる場合があります。具体的な金額を知りたい場合は、専門家やコンサルタントに相談してみるのがおすすめです。

 

まとめ

この記事では、飲食店に求められるインバウンド対応について、具体的なやり方やインバウンド集客を成功させるコツなどについて解説してきました。

インバウンド集客は、国内客をターゲットとしたマーケティングとはまた異なるテクニックが必要となりますが、コツを押さえて行えば、難しいことはありません。

インバウンド客のニーズや行動を理解して、適切な対応を取り、集客率アップを目指しましょう。

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